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欠陥マンション記録
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三交不動産欠陥マンション紛争記
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三交不動産、契約解除と同視
【マンションの品質確保されず】


さまざまな欠陥が発覚し住民が次々に、退去している問題に対する住民説明会において、平成19年8月5日、三交不動産は、取締役社長名による文書にて、本マンションに関しては『お客様にご提供すべき商品の品質が確保されていない』ことと、『現段階においては、補修方法を確定できない』ことの2点を理由とし、本件瑕疵問題について、『契約解除の事由と同視』することを提示した。


住民らからは、「貴社が販売した商品が商品としての価値を有していないのであるならば、解除すべきではないか」と質疑がなされたが、これに対し、同社は、現時点での当社の判断としては「契約の解除事由にはあたらない」と合意解除等をする必要性がないことを住民に対して強調した。




現在多くの販売会社の、「重要事項説明」等において、アフターサービス規準等(マンションに不具合等の問題が生じれば販売会社が修理を行う等)の説明がなされているが、消費者にとっては、アフターサービス等は、売買契約締結の際の一つの判断基準となり契約の特約的意味を持つものとなる。
また、当契約書には瑕疵担保責任や品確法上の責任(義務)を負う旨(第16条)及び、アフターサービス(第13条)、契約外事項(第28条)=契約に定めのない事項について疑義が生じた場合は、協議の上誠意をもって解決)が明記されている。

住民らは、上記アフターサービス及び、瑕疵担保責任(基本2年、構造体の瑕疵10年保証)等に従って、入居当時から3ヶ月、12ヶ月、24ヶ月と補修の催告及び、瑕疵の原因究明の要請を同社に対しておこなっており、これに対して同社は、「乾燥収縮を理由として」(近年では、熱膨張や沈降・施工誤差等を理由として)適切な対処を施さずに、その結果、瑕疵(損害)が拡大した。この点、同社は初期の対応が不適切であったことを、2年以上にも渡る、度重なる一部の住民らとの交渉等を経て、ようやく認めた。

(注)平成16年~1年目は、アフターサービスに従って補修の要望。平成18年4月ごろから以後現在まで、管理組合での要望。同時に、同年8月ごろから、9月、10月と同社職員、11月、12月、平成19年1月、2月、3月、同社職員及び役員と交渉。という通常の企業では考えられない時間と労力を顧客にかけさせた点に注意。




ここで問題となることは、多数の住民によれば「初期の段階から、補修の催告をおこなっていた」ということ及び、「同社の職員(有資格者)の説明を多数の住民が信じた」ということ、また、販売当時から『商品の品質が確保されていなかった』可能性を否定できないということも問題となる。


解除には、「瑕疵担保責任による解除」や、「債務不履行による解除」などの法定解除や合意解除等があり、契約締結後の債務不履行については、「不完全履行」か、一部「履行不能」が考慮できるが、同社が「瑕疵の存在」と(「商品としての品質が確保されていない」=不完全な商品・一部毀損【天井が下向きに垂れている商品等】)及び、(「補修方法を確定できない」=現時点で完全な履行ができない)ことを認めた以上、このことは、販売当時、完全な商品の引渡しという債務が不完全(不完全な商品の引渡し)であったことや、その後の瑕疵に対する補修等の対応から、同社の債務(アフターサービス等)が不完全であったことをも示唆するものとなる。


今後、同社が、依然として本件瑕疵問題について、「解除」をおこなう必要性がないことを住民に対して、主張するのであるならば、販売当時及び、補修等について「完全に履行がなされていた」こと=債務不履行及び、一部履行不能等についての帰責事由の不存在)を立証しなければならない。また、契約締結前から原始的不能なら無効、原始的瑕疵なら、瑕疵担保責任上の問題となる。


そして、同社が帰責事由等の不存在を立証できないのであるならば、債務不履行か、瑕疵担保責任により①解除②損害賠償③強制履行(当マンションを完全に補修した上で、退去を希望しない住民に対して、完全な物件の引渡しをおこなう)等の責任を負うこととなる。





【同社、顧客の資産について品質が確保されていないと判断】


また、同社が提示した、『解除ではなく、100%での買取』という売買契約において、同社が顧客の資産について「商品の品質が確保されていない」と判断したことは、税務関係(譲渡所得における所得税及び固定資産税等)においても問題となる。

譲渡所得とは、売買した場合に譲渡益(売った利益)が、売主にでれば、その利益分に課税がかかるというもので、当マンションにおいては、5年以内の売買であり短期譲渡にあたるため、この場合の税率は、売って出た利益分に対して、所得税30%と、住民税9%の計39%が課税されることとなる。(解決金に課税される税金は一時所得となるため、別の給与所得や事業所得等と総合的に課税される)

ここで特に注目したい点は、譲渡所得に対する課税においては、土地及び建物の評価がおこなわれるということである。


この点、土地の価格については、

①国土交通省【地価公示価格】「標準地」、

②三重県地価調査研究会【地価調査価格】「基準地」、

③国税庁【相続税路線価】「公示価格の8割」、

④市役所【固定資産税路線価】「公示価格の7割」

等があり、本件物件については、①、②において公表されていないため③か④が適用されるが、③は相続税及び、贈与税の評価が主たる目的であるため④の市役所が算定することとなる。また、③税務署と④市役所での路線価の判断にも1割程度の差異(1㎡につき6000円程度の評価の違い【平成18年度においては6900円の差異】)があるため仮に80㎡ならば40~50万の違いが出てくるため、課税に対して、税務署が地価を判断するのか、市役所が判断するのかも重要である。



次に、建物の評価については、土地(非減価償却資産)と違い、資産の価値が減少するため、平成10年4月1日以降であるならば、定額法において、減価償却することとなる。

★建物の取得価格×90%×経過年数×0.015(鉄骨鉄筋コンクリート造)



この点、当マンション販売時に契約書において、土地の価格と建物の価格が記載されており、「標準的な建築価額」で推定する必要もないため、建物については、市役所が固定資産評価基準等に従って、評価することとなろうが、当マンションにおいては、物理的減価(使用することで自然に価値が減少)以外に同社の当方らの資産に対する「商品の品質が確保されていない」という判断から、機能的減価(性能そのものが不適格)や、「通常の修理又は手入れをしなかったことにより著しく損耗した」ことも販売当初から考慮しなければならないであろう。つまり、販売当初から建物の評価価格が不適当であった(住民らが、商品として価値のないものに妥当でない金額を支払った)可能性があるため、当初から「商品の品質が確保されていなかった」か、若しくは途中で「商品の品質が確保されていない」状況に陥ったかのいずれかにより、固定資産税、減価償却率等の算定にも影響がでてくる。

いずれにしても、同社が本件瑕疵問題(当方らの資産について「商品の品質が確保されていない」と判断した問題)について、やむをえない事情による合意解除等をおこなわず買取を提示したことで、住民には、利益が出ているとみなされるため、課税について、市役所及び税務署に対し、今後、特に建物の評価に関する基準(判断基準)の開示を求めていかなければならない。


尚、当マンションの構造上の瑕疵の原因及び、発生時期については、日本建築構造技術者協会(JSCA)が特定していないことを強調する。
by magekiretuz | 2007-09-07 23:07 | 欠陥マンション