欠陥マンション記録
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三交不動産欠陥マンション紛争記
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所有権抹消
2007年8月5日の本件瑕疵問題に関する説明会において、三交不動産が「契約の解除と同視する」と公表し、且つ、「商品の品質が確保されていないこと」や「直ちに補修を確定できないこと」など、契約の目的が達成できないという現況を把握しながらも同社が、契約の解除に応じない理由などは今現在一切、開示されていない。そのため今後、解除等の意思表示をされている本マンション住民及び、一般消費者等へのその理由の開示が必要であると判断する。


そもそも不動産の売買契約の際には、所有権が重要となる。所有権は意思表示だけで、移転という物件変動が生じるが、その所有権を第三者に対抗するためには『登記』が必要である。

そこで、新築マンションの場合には、まず始めに『所有権保存登記』をおこなう。これが、最初におこなう登記の一段階である。


その後、本物件を売却すれば、以後「所有権移転登記」を繰り返す。



本マンション瑕疵問題においては、すでに同社との買取契約を済ませ、所有権移転登記を済ませた方が、半数以上であると思われる。


以下、事案を記す。


【事案】

Xらは、Y社からマンションを購入し、甲区1番でその登記の保存を完了させた。その後、本物件において、重大な瑕疵が発覚したためXらは契約の解除の意思表示をおこなった。しかし、Y社は「現在、専門家による原因の調査中であり、現時点においては、解除に応じることはできない」とし、暫定的な解決として、覚書による補修による対処が不能である瑕疵の存在が明らかと判断されたときは、本買取契約及び覚書の約定を解除し、瑕疵担保請求権が行使できる」という条件付きの、売買契約を提示した。そして、Xらは、Y社の条件付き提示に応じて、売買を済ませ、その登記の移転を完了させた。

しかし、その後の調査により、「商品の品質が確保されていないこと」や「補修が確定できないこと」など、「品質等に関して重大な問題」が発覚し、その品質についてY社に契約の内容等の債務の不履行等、帰責性が存在することなども判明した。

上記の状況から、Xらは、本件が上記買取契約及び、覚書の約定を解除できる事案(補修による対処が不能であるとは、通常の性能・品質を有する住居の引渡しという契約の目的の達成不能である場合をいい、本件はそれに該当する事案)であると判断し、本買取契約及び、覚書を解除した上で、改めて、契約販売時において、Y社の取引に用いる書類等の表示から、Y社の商品の性能や品質、契約内容という契約の重大な部分において誤信していたため、本契約は無効であるとの意思表示をした。


(尚、同社によれば、「補修による対処が不能である場合」とは、「本マンションが倒壊する場合のみであって、倒壊さえしなければ、補修による対処が不能である瑕疵には当たらない」と抗弁している。)


上記の事案では、錯誤無効、つまり、もともと契約自体が存在していなかった(詐欺での取り消しは取り消すまでは有効)ということが問題となり、

【要件事実】としては、

a 当該意思表示に錯誤があること、

b 錯誤が法律行為の要素に関するものである(重過失は再抗弁、 信義則は再々抗弁)を要し、


【効果】としては、消滅となり、

【登記の種類】は抹消となる。


従って、まず一旦、XらからY社への売買の、所有権移転登記を、「真正な登記名義の回復」を登記原因として、所有権移転登記を申請するか、登記原因を合意解除として、抹消をおこなうかする。

そしてその上で、登記原因を売買無効として、売買無効による所有権保存登記の抹消をおこなう。




以上が、同社の法的な妥当な解決であるが、所有権抹消は以下のように「登記簿」に記載される。



番号    目的         原因       権利者

甲区 1 所有権保存     余白抹消    所有者X


    2 1番所有権抹消   錯誤         余白



従って、同社が契約の解除や無効に応じない理由としては、これから本物件を販売、移転しようとしている場合、添付情報として、登記原因証明情報など、解除、取り消し、錯誤等があったことを証する情報を提供する必要もある(不動産登記法61条)ことから、登記簿上に所有権抹消の事実が残るため「争いなどの事実はなかったこと」に同社がしたいと自己保身等を考えているならば、自社の販売等にとって都合の悪い情報となりうるし、所有権保存登記の抹消をおこなえば、原則、登記記録は閉鎖されるため、販売が事実上不可能か、著しく困難となりうると判断したからではないかと推察される。

もっとも、区分建物のように表題部を残すことに実益がある場合には、表題部所有者(三交不動産株式会社)の記録が回復され、例外(閉鎖されないこと)となる。


また、銀行などと抵当権設定契約等をおこなっている場合の抹消には、銀行などの登記上の利害関係を有する第三者(抵当権者)などの承諾を要することや、契約自体が、無効か解除となれば、固定資産税など、税金などの返還などの問題も生じる。



従って、所有権抹消には、第三者に対抗することができる裁判などの、民事訴訟や刑事告発・告訴などが、重要となる。




(参考)
不動産登記令
別表26

ヘ 登記上の利害関係を有する第三者(当該登記の抹消につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)があるときは、当該第三者の承諾を証する当該第三者が作成した情報又は当該第三者に対抗することができる裁判があったことを証する情報を提供する
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by magekiretuz | 2007-10-24 01:09 | 法律