欠陥マンション記録
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三交不動産欠陥マンション紛争記
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危機管理
平成19年7月27日現時点において、分譲した三交不動産の対応としては、同社のHPに経緯等をコメントしたのみで、未だ何の動きもない。
同社コメントによれば、「社会的道義的責任の重さに鑑みまして、・・・提案申し上げたのでございます。」といういわゆる企業として「社会的責任(CSR)を果す基本的な姿勢」が一見、伺える様な文言がある。

本件の様な、人の生命・身体といった安全性及び、人の財産、安心等の問題(不測の事態)が生じた場合、企業として、「社会的道義的責任」を果すことは、消費者の反感をかわないように、期待に応えるといった、コンプライアンス(業務の適正=社会的に正しい)という観点から、同社が早急(もっと迅速)に果していれば適切であったのであるが、1番注目したい点は、本件瑕疵について、原因が特定されていない現時点において、同社が、「法的な問題・責任等」から、今回の買取を提案したのではないとう点を同社コメントにより強調・明記したことである。

この点については、販売初期の段階から不具合を確認されておられる方や、その後の補修催告に応じないという初期対応の杜撰さといった事実、それを指摘された後の同社の対応等(後日、すべての交渉等詳細を明記することとする)から、当方も含めて、他の住民も事実確認を行いたいのであるが、当時の担当者ではない同社職員による「意見」=個人的及び、企業の意見を伺っても時間の無駄である)しか、表明されない状況である。

従って、不具合等の第一報の認識者・経験者といった点からも、当時の担当者は重要な役割を果す。



また、昨年、9月頃からの当方らの要望としては、大きく分けて「原因究明への協力・代表者の謝罪・再発防止」の3点であった(特に原因究明への協力要請は、平成18年5月頃から行っている)が、現時点において、同社が、退去した住民をも含む、説明会(原因究明広報等)を、企業としての社会的道義的責任(複数の住民の人生に関わる問題への責任)から行うか否かは、依然としてつかめない。


企業の体質において、ある程度の隠蔽体質や権威的体質・利益至上主義・自己保身といった要素が存在するであろうということは、否定できないであろうが、本件(生命・身体・財産・安心等に関わる事案)の様な異例な事態において、道義的責任・社会的責任という企業としての責任を果す気が、同社にあるのであるならば、重要な点は、「謝罪すれば、法的に責任を認めたことになるのではないか」といったことで自社に法的な責任がないことを、消費者に強くアピールすること又は、自社に有利な情報のみの開示を行うこと(原因には一切触れず、安全であるとだけ伝えること。「他は大丈夫です」と安易に応えること)、或は、開示そのものを行わない、ことで「沈黙」を貫くのではなく、例えば、「アフターサービス等を適切に行わなかったという事実」及び、「本件瑕疵について、善意・無重過失であるのかという問題点が存在する」といった点を考慮していくことが、責任を果す基本的な姿勢として、穏当であるということを認識してもらいたい。



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by magekiretuz | 2007-07-27 01:10 | 欠陥マンション
最高裁判例
近年、耐震偽装問題を含め、構造計算書等の重要性がクローズアップされつつあるが、構造計算(設計等)において、その「入力方法」しか理解せず、構造計算ソフトを起動させている実務者等により、トラブルが生じているのではないかと思われる事案(耐震強度問題)や、施工に起因すると思われる欠陥等の問題などが、後を絶たない。

また、司法の場においては、建物に生じる瑕疵と、「建物の安全性」に関する、その明確な判断基準が存在せず、その結果「安全性を欠く場合」等に対しては厳格な解釈となり、購入者が泣き寝入りするケースが多々ある様に見受けられる。



しかし、平成19年7月6日最高裁判所第二小法廷において、今後、司法の観点から「欠陥問題」等を解釈していく上で、非常に重要な判例(資料)となる判決が為された。


本判決は、鉄筋コンクリート造り陸屋根9階建てに生じるさまざまな瑕疵をめぐって、建物購入者に売主だけでなく、施工や設計に対しても、不法行為責任に基づく損害賠償請求権が発生するか否かの基準が争われた訴訟の上告審判決である。


これまで、不法行為責任について、施工や設計に対しては、理論上「共同不法行為責任」(民法719条)

①数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。
②行為者を教唆した者及び幇助した者は、共同行為者とみなして、前項の規定を適用する。

などによって責任を追及することも可能ではあったが、実例が僅少であった様に思え、その意味においても本判決は興味深いが、特に注目したい点は、原審(福岡高等裁判所)との解釈上の相違点であろう。


本件建物には、

①床スラブのひび割れ及び、たわみ
②外壁のひび割れ
③ひさしの鉄筋露出
④室内戸境壁のひび割れ
⑤バルコニーの手摺のぐらつき
⑥排水管の亀裂


等の瑕疵があると指摘された。

これらの瑕疵について、原審は、「これらの瑕疵が構造耐力上の安全性を脅かすまでのものではなく、社会公共的にみて許容し難いような危険な建物になっているとは認められないし、瑕疵の内容が反社会性あるいは反倫理性を帯びているとはいえない。さらに、本件建物に生じる瑕疵が、建物の基礎や構造躯体に関わるものであるとは通常考えられないから、瑕疵が存在するとしても強度の違法性があるとはいえず、不法行為責任が成立することはない。」とした。





これに対して、最高裁は、「建物は、居住者や隣人、通行人等の生命、身体又は財産を危険にさらすことがないような安全性を備えていなければならず、この様な安全性を基本的な安全性というべきである。建物の建築に携る者は、この基本的な安全性が欠けることがないように配慮すべき注意義務を負うと解するのが相当であり、この義務を怠ったがため居住者等の生命、身体又は財産が侵害された場合には、不法行為責任が成立する」とし、さらに「建物の基礎や躯体に瑕疵がある場合に限って不法行為責任が認められると解すべき理由もない」とした。



上記最高裁判決により、本件建物に建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵があるか否かについての審理等を行うため、原審に差し戻されることとなるが、本判決が、瑕疵について「建物の基礎や構造躯体」に関わる瑕疵(これまでの解釈における重大な瑕疵)以外にも緩やかに解釈を拡張した点及び、「基本的な安全性」という概念に生命・身体さらには、「居住者の財産を危険にさらすことがないような安全性」と解釈した(財産まで保護法益を拡大させた)点を特に強調したい。


また、今後、契約解除などの根拠となる瑕疵担保責任等における「重大な瑕疵」などに対する「安全性」の解釈、すなわち、「構造計算等に問題があり耐震強度が不足」している事案(重大な瑕疵と判断し易い事案)などは、稀なため、「構造計算に問題はないが、瑕疵が存在する」事案等における「安全性」についての判断基準にどのような解釈がなされるか注目したい。








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by magekiretuz | 2007-07-07 00:20 | 法律